はじめての着物の方向けの豆知識

【はじめての着物の方向け】着物の下に着る襦袢について3。衣紋抜きについて

こんにちは、名古屋の着付け教室「ららきもの」いとうちなつです!涼しいと思って襦袢を着るとやっぱり汗だく。。名古屋が暑いのか、私が暑がりなのか。あと3度下がってほしい!

さて、はじめて着物を着る方向けの襦袢についてを以下の2回でざっくり説明しました。
【はじめての着物の方向け】着物の下に着る襦袢について1。なんのために着るの?
【はじめての着物の方向け】着物の下に着る襦袢について2。襦袢の形いろいろ

私の初めて買った襦袢には、背中にひらひらした細い布が付いていました。これ「衣紋抜き(えもんぬき)」っていいます。

ということで、今回は襦袢の衣紋抜きについて書いてみたいと思います。

このあたりは私が今通っている、京都の鞠小路スタイルで勉強中なので、興味があるところにも触れながらご紹介します。

 

衣紋抜き(えもんぬき)って何?いるものですか?

最初に言ってしまいますと、私の思うところ衣紋抜きはいりません。付いていること得られるメリットが無いなぁと思うので、そう判断しています。

でも、衣紋抜きについて知っておくと良いとおもうのでご紹介。

この襦袢の背中側についている細い布が衣紋抜きです。

襦袢の襟の後ろから腰の下まで布がたれていて、胸紐が通せるようになっています。

衣紋抜きが登場した背景には、首の後ろの襟が首にピタっとくっついてしまう「衣紋が抜けない」という着付けのお悩みがあります。

衣紋はなぜ後ろ抜く・引くのかというとの理由を「衣紋が抜けた方が女らしくみえる」「衣紋はこぶし一つ分抜くものだ」と間違えてしまうと、引く場所も変わってしまいます。

その間違った間違った目的のために開発されたのが「衣紋抜き」です。

襦袢を羽織ったら「衣紋抜き」を後ろに引いて襟と首の隙間を作ります。着物を着た後でも襟が首にくっついて来たなと思ったら、着物の下から手をいれて、衣紋抜きを引けば襟が後ろに抜ける!といった目的の商品です。

衣紋はなぜ後ろに抜く・引くのか。布を安定させることで、体も安定させたいから

なぜ衣紋を抜くのかというと、大昔から襦袢や着物の形は羽織った後に布を後ろに引くことによって、背中に布がピタっと吸い付くように設計されているから。

それにより、背中側に布の重心が移動するので、肩に感じていた布の重さが消えます。留袖は手に持つとすごく重たいのに、この動作で重みゼロなんです。

背中側に重心が移動した布を、腰紐・胸紐で支えてあげると、体のコアが完成します。体のゆがんだ重心が真ん中に移動し、立ち姿が変わります。日常の動きもスっと軽くなる。

ここで紹介した以上の効果・役割が「衣紋を抜く」にあると思います。女らしく見せるためとは大きく違っていますね。

上の効果を受け取るには、「衣紋を抜く」という動作は襟を後ろに引く動作ではなく、後ろの布全体を後ろへ移動させることになります。

衣紋抜きで、襟だけを後ろに引いて首と襟に隙間が空いたとしても、布が背中に降りていなかったら、前に布の重心があるので、時間が経つにつれ自分の重みで布が前に移動してしまいます。

この結果、衣紋が詰まってきますし、襟から足元までの着崩れ現象が見られることでしょう。

本来の衣紋を抜くを正しくやった上で、衣紋抜きを使うのだったら大丈夫ですが、正しく衣紋が抜けるようになったら着物全体が安定するので、衣紋抜きを使わなくても着崩れしなくなりますよ♪よって不必要なんです笑

まとめ。正しく襦袢の着付けをすれば衣紋抜きはいらない

衣紋抜きを開発した人に着物を読み解く力が無かったのか、問題解決が浅はかだったのか汗汗、衣紋抜きを使っても問題解決にはならないです。

襦袢の後ろ見頃を後ろに落として、着崩れ以外のもっとたくさんの恩恵を受けてください。

 

 

 

きもの初めてさんの方も8回で着られるようになるスタンダードレッスン。個人レッスンなので、襦袢や着物に関する疑問もレッスン中にどんどん聞けます。